初代ビアンテ(2008年-2018年)
マツダビアンテは、2008年7月に発売されたミニバンです。マツダプレマシーの上級モデルとして位置づけられ、3列シートで7人乗り(一部グレードは8人乗り)を実現しました。
デザインは「Nagare(流)」デザインを採用し、流れるような曲線を特徴としています。特に、サイドビューの大きな特徴である「波型」のキャラクターラインは、当時のマツダデザインの象徴的な要素となりました。
パワートレイン
エンジンは2.0L直列4気筒DOHC「LF-VD」型を搭載。最高出力は152PS、最大トルクは19.5kg・mを発生します。トランスミッションは5速アクティブマチックが採用され、2WDと4WDが選択可能でした。
2010年には、アイドリングストップ機構「i-stop」を搭載したグレードが追加され、燃費性能が向上。2013年のマイナーチェンジでは、新開発の「i-ELOOP」(減速エネルギー回生システム)も採用されました。
装備・安全性
両側電動スライドドアを標準装備し、運転席からの開閉操作も可能。2列目シートは独立型キャプテンシートを採用し、スライド・リクライニング機能を備えています。3列目シートは分割可倒式で、フラットな荷室を作り出すことができます。
安全装備として、DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)やTCS(トラクション・コントロール・システム)を標準装備。上級グレードには、レーダークルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキなども設定されました。
マイナーチェンジと生産終了
2013年5月のマイナーチェンジでは、フロントグリルやヘッドライトのデザインを変更。内装も一部改良され、より上質な仕上がりとなりました。また、先進安全装備の充実化も図られています。
2018年3月に生産終了となるまで、約10年にわたって販売されました。マツダのミニバンラインナップの中で、プレマシーとMPVの間を埋める存在として、独自の存在感を示し続けました。後継モデルは設定されず、マツダのミニバン戦略は新世代商品群へと移行していきました。